屋根はタイプ別に葺き替え方法が異なります。瓦屋根の葺き替えは、古い瓦を一度降ろさなければならない大仕事です。
古い瓦の撤去では、直下の地面に袋を置いて、上から古い瓦を投げ入れる方法がありますが、騒音や粉塵の問題があり、隣家が近い場合は使えません。
荷揚げ梯子を使用して、丁寧に古い瓦を下へ降ろす方法は、手間と時間はかかりますが、隣家には迷惑のかからない方法です。
屋根の葺き替え手順
屋根の葺き替えでは、防水のために敷いてあるアスファルトルーフィングや、野地板の状態を調べます。
通常は、アスファルトルーフィングは張り替えて、既存の野地板はそのまま使用しますが、野地板の痛み具合によっては、野地板そのものを取り替えることになります。
瓦を引っ掛けるための桟木を撤去し、野地板の下地処理を行います。下地に穴が開いている場合はパテで補修します。
下地の補修が終わったら、新しいアスファルトルーフィングを敷き詰めていきます。
アスファルトルーフィングの敷き詰め方は軒先から始まり、棟の部分に向けて行います。
アスファルトルーフィング自体を重ねる必要があり、左右では20cm、上下では10cmの重ね部分を設けなければなりません。
既存の撤去から始まり、下地を補修して新しい防水紙を張るまでの工程は、瓦葺が一番大変で、鉄板系やスレート系は一部の工程を省くことができます。
葺き替えの組み合わせ
屋根の葺き替えでは、同じ材料で葺き替えるか、別な材料を用いるかでその後の工程が変わります。
瓦葺、鉄板葺、スレート葺の3種類の屋根では、葺き替えにおいていくつかの組み合わせが考えられます。
瓦葺から鉄板系やスレートに替えることは可能ですが、逆はできません。
瓦葺は材料が重いために、建物本体を他の屋根材を葺く場合よりも丈夫につくっています。瓦葺にする場合は、以前から瓦葺である必要があります。
鉄板系やスレート葺は既存の屋根がどの材料でも使用できますが、鉄板系が勾配を緩くしている場合は、スレートへ取り替えることはできない場合があります。
使用材料によって工程が変わってくる
下地のアスファルトルーフィングを張って以降は、材料の種類や葺き方によって方法が異なってきます。
瓦葺の場合は桟木を取り付けていきます。鉄板系の材料を瓦棒で葺く場合は、鉄板を留めるための瓦棒を設置して、鉄板を打ち付けていきます。
スレート葺の場合は、軒先から順に、棟に向かって材料を葺いていきます。平らな部分を葺き終えたら、屋根棟部、軒先部、下屋部に押さえや水切りの金具を取り付けて完成となります。
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